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ぱぱちゃりライダーブログ

3月26日(金)に行われた区議会第一回定例会最終本会議において、予算審査特別委員会の結果の3性討論に登壇しました。
以下かわごえからの討論全文を掲載します。
よろしくお願いいたします。
 
 
かつしか区民連合を代表して、ただいま上程中の議案第1号「令和3年度葛飾区一般会計予算」ほか4件の各会計予算に賛成の立場を表明し、討論を行うものであります。
 
令和3年度の当初予算は一般会計で対前年度比「2.7%減」となる1,9942,000万円となり、8年連続の増加から一転し、減少となりました。歳入面では一般財源が約64億円の大幅な減収になるなど新型コロナウイルス感染症COVID-19による影響が大きく影を落としています。
 
令和3年度の予算編成にあたり、税収減を見越し、事務事業の見直しや事業の先送りなどによる歳出削減を行うとともに、財源の補填策として、令和2年度の執行残などを積み立てた財政調整基金から過去最大規模となる58億円の繰り入れなどの対策が行われ、財政当局のご苦労が読み取れます。
 
しかし、新型コロナウイルス感染症による再度の緊急事態宣言は、各分野においてさらに深い爪痕を残すこととなりました。
 
323日に発表された月例経済報告では「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる」とし、「感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある」と指摘しています。
また、同じく323日に発表された公示地価が6年ぶりに下落し、東京では8年ぶりのマイナスとの報道もあり、感染症のため経済活動など楽観できない状況は続き、税収にも大きな影響があると考えられます。
今後、バブル後やリーマン後のように、景気回復まで数年かかることも想定し、基金頼りにならないよう、不断の事務事業の見直しや、さらなる行財政改革などの対応を進めるべきです。
 
また、感染症対策の、中には予算策定が行われていた昨年末の段階では第三波も含めての予測が難しく、年度途中までしか計上されていない状況があります。
321日に緊急事態宣言が解除された後、すでに首都圏においてリバウンドの危険性が指摘されており、今後の感染状況を見据えながら、区民に不利益が及ばないように、必要な事業については早い段階で補正予算を組むなど、迅速に対応するための体制を求めます。
 
新型コロナウイルスは、引き続き非正規雇用やひとり親家庭、高齢者、障害者など社会的に弱い立場に置かれている方々に、より大きな影響が及んでいます。これは今まで隠されていた「格差」が表面化したものであり、単純にコロナ前の生活に戻すのでなく、明らかになった格差を解消し、より良い社会を目指すという強い意志が必要です。
 
SDGsの理念である「誰一人取り残さない」持続可能な社会を実現するために、真に求められることは単発の事業による振興策のみではなく、「コロナ後の社会」、そして「SDGsのゴール」とされる2030年に向けて「どのような社会をデザインしていくのか」、そのビジョンを示し、具体的な取り組みについて立場を超えて行動することであり、そのための持続可能性を持った財政的裏付けが重要になっています。
 
それでは以下、私たちかつしか区民連合として令和3年度予算に対しての主な意見を款項別に抜粋して表明いたします。
 
「総務費」では、財産運用の基金利子収入は貴重な財源です。地元金融機関にも配慮しつつ、安全で確実な運用を前提として、ネット銀行の活用など検討を行い、運用益の確保を求めます。
「文書管理」では区民の財産でもある公文書について、公文書管理条例の制定スケジュールを早急に示すことを要望します。
「協働推進経費」は市民活動団体などの主体性を保障しながら、社会的な活動を支援するために事業提案制度の再構築や、ファンド創設などの検討をし、協働を進めるための新たな仕組み作りを望みます。
「区民費」での文化施設維持管理経費において、指定管理者への補填は当初予算ではなく、補正予算や予備費で対応するのが適切です。予算執行については十分留意し、議会への報告を求めます。
 
「産業経済費」では新型コロナウイルス対策緊急融資の返済・据置期間の延長は高く評価します。今後、実態把握を行い、真に苦しんでいる事業者への的確な支援を実行していただくことを願います。
 
「福祉費」において、「社会福祉費」での生活困窮者自立支援事業は、待つだけでなく、困難を抱えた方のもとに出向き、支援に結びつけるアウトリーチ支援員の導入を評価し、今後、居場所づくりや食糧支援など社会的課題に対応するNPOなどとの連携を期待します。
新小岩の子ども発達センター建設では、同じ(仮称)新小岩地域活動センター内となる子ども未来プラザの交流保育室との連携について、今から検討を進めていただきたいと思います。
障害のある子どもを家庭内だけで抱え込まないために重度障害児に対応したグループホーム整備計画を評価し、今後は、運営事業者の確保策の工夫を要望します。
 
「高齢者福祉費」での高齢者虐待防止として、介護をする家族が精神的、経済的な負担で追い詰められないよう家族介護者・ケアラーの現状を把握し、支援策の検討を求めます。
 
「児童福祉費」では児童相談所開設に向けて、人材確保が急務です。熱意と資質のある職員を確保し、開設への体制を整えていただくことを願います。
子育てひろば事業は、民間施設の利用が少ない状況を検証し、持続的・効果的な実施に向け、再編と公共施設内での充実を求めます。
子ども・若者支援事業では子ども食堂などへの支援を評価し、リスクを抱えた世帯に対して様々なセクターと連携した支援体制の構築を願います。
子ども未来プラザ建設経費においては、子育て世代地域包括支援センターとしての機能を担うべく、ネウボラの機能の確立、子育て支援ネットワークの構築、フェーズごとの災害対策の検証を求め、それらソフトに応じた施設整備を強く求めるとともに、地域や関係団体、現場の声を十分に取り入れるように要望します。
 
「衛生管理費」では、新型コロナウイルス感染症により保健所の業務が停滞することのないよう、管理職の兼務のあり方を検討すると共に、会計年度任用職員の確保などを含め職員体制の整備に全庁的に取り組んでいただきたい。
 
「公衆衛生費」での新型コロナウイルス受診相談窓口について、感染による後遺症や、生活相談などの窓口を早急に開設すること、また、新型コロナウイルスワクチンは区民の不安を払拭するために丁寧な対応・情報発信を強く求めます。
 
「環境費」での公害防止指導事務は、交通騒音として羽田空港発着の航空機ルートが区内に入り込んでいる状況があり、今後、増便された際のモニタリング強化と落下物リスクを元に安全管理と運行管理について関係機関と協議することを要望します。
 
「清掃費」での清掃関連施設土壌汚染状況調査は、調査報告がされる以前に施設設計が勧められており、議会報告も含め唐突感が否めません。議会に対してその都度説明を求めます。
 
「都市整備費」の公共交通網充実事業において、循環バスの新規路線の検討と合わせて、持続可能な地域社会を目指すため、新たな地域交通のデモ走行、モデル実施の手続きを進め、計画づくりを地域と協働し進めることを求めます。
新金線旅客化検討において、6号線との交差の課題を解決するため、高砂での京成金町線との接続も含め検討を進めるよう願います。
 
「街づくり費」において、新小岩駅南口地区市街地再開発事業での南口駅前広場の再整備は、現状の駅前広場の課題を解決することを前提に整備を進めることと、駅ビルの建設や東北広場のタクシープールの課題など地域の今後の動向や課題を面的に捉え、取り組んでいただきたい。
 
「公園費」で中川七曲りの親水テラスと堤防道路にクラックなどの不具合があり、空洞調査など対策が望まれます。河川周辺の環境整備も含めて、計画的な対策が必要であることを指摘いたします。
 
「教育費」での旧校舎 暫定管理は旧校舎への必要な補修を行い、校舎の老朽化や地域の特性に合わせた活用などの検討を深めるよう要望します。
学校教育活動指導経費は小学校教科担任制に向けて、専科教員の確保が重要です。人材確保について東京理科大学に協力を求めるなど入念な準備を求めます。
学校図書館運営経費はコーディネーターの拡充を求めるとともに、ICT推進に合わせ学校図書館のメディア資料の整備方針の検討を願います。
にほんごステップアップ教室は現状では集団指導や多言語への専門性、特別支援教育との連携に課題があり、委託導入による質の向上に期待します。
不登校対策事業での校内適応教室は、教育機会確保法にのっとり、不登校児童・生徒の学習機会を補償するため、さらなる拡充と「支援体制整備」を進めていただきたいと思います。
学校改築での学校プールは方針の決定過程に性急さが感じられ、合意形成と共に全区的なプール利用についてのデータの整理やシミュレーションが必要です。関係者や地域との十分な議論と、保護者への説明を丁寧に進めるとともに、検討過程の議会への報告を求めます。
 
「小学校費」において、学校ビオトープはS D G s実現に向け、学校での継続性を持たせるとともに、周辺地域の環境の保全のため計画的な設置を願います。
 
「社会教育費」は成人教育運営経費において新成人との繋がりを作る機会として「はたちのつどい」を活用することを求めます。
図書館管理運営の電子図書館導入は評価し、デジタルコンテンツと共に、図書館機能全般として子ども読書支援、学校との連携、課題解決支援、障害者支援、また施設の老朽化など今後の図書館のあり方について、早急に方針を策定することを要望します。
 
最後に、各特別会計予算はおおむね適正に編成されているものとし、これを了とします。
 
先にも述べましたが、新型コロナウイルスへの対応を引き続き迅速かつ的確に行なっていただくとともに、将来の税収減の可能性を見込み、限りある財源を、計画的かつ効果的、適正に執行していただくよう改めて求めたいと思います。
 
それぞれの分科会の審査過程において、私たちかつしか区民連合の委員が述べた意見、提案、指摘については、理事者の皆様に真摯に受け止めていただき、それらを今後の区政運営に反映していただきますよう強く要望いたします。
 
以上で、かつしか区民連合としての討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。
 
かわごえ誠一