議会活動

質問要旨

近代において男性中心に社会が形成されてきたことに対し、戦後、女性の社会的地位の確保や、差別解消など女性の権利を守り、社会参加を求める運動が進められてきました。

一方、女性問題の取り組みを進めていくうちに、長時間労働や性別役割分業など男性社会の課題も浮き彫りになり、その中で男女ともにお互いに人権を尊重し、能力を十分に発揮できる社会を目指すため、「男女共同参画社会基本法」が施行されました。

それでも女性への差別や性被害が依然として存在し、今なお山積している課題の解決を急がねばなりません。

一方、過去に作られてきた男性観に縛られ、生きづらさを感じている男性も少なからずいるのも現実です。

子育て中の男性については、近年イクメンと言われるように、育児に積極的に関わる男性が増えていますが、気軽に相談できる環境はまだ整備されていないため、うつ状態になるイクメンブルーが問題になったり、また、児童虐待における実父や継父の割合が高いなどの課題も見られます。

カナダでは父親支援の重要性が認識され2003年に父親の子育て支援プロジェクトがスタートしたとのことです。

「子どもが誕生した時に父親も誕生する」のであり、父親も学び・育つ存在であることを基本に、母親を否定すること無く親業パートナーシップを形成する支援が進められてきたとうかがっています。

父親が気軽に相談でき、学びながらつながれる関係づくりについては、パパママ学級などを足掛かりにしながら、今後進められる子育て支援拠点施設なども含めて検討することも必要ではないでしょうか。

一方、核家族化と高齢化が進む中で、男性が介護を一人で担うことも増えてきており、仕事と介護の両立について相談できず、一人で抱えこんだたり、介護サービスや資源の存在がわからず孤立しやすいこともあるとうかがっています。

また、会社勤めで、仕事一筋に生きてきた高齢男性が退職後、地域とつながれずに孤立したり、ひきこもり化することも問題とされ、課題が適切な資源につながらないリスクもはらんでいます。

それらの解決には短期的には男性向けを意識した周知の工夫や、介護者同士が集まるケアラーズカフェの支援、高齢者の活動団体などとの連携、地域での就業の支援などを進めることが必要だと思います。

また、長期的には子育て世代に子どもが小さいうちから祭りなどの地域活動や、幼稚園・保育園、小・中学校などでの行事への参加や学習の機会を作るなど、地域での関係性が作れるように支援していくことも検討すべきです。

全ての人がより豊かに生きていくためには、それぞれの多様な生き方を認め、尊重し合うことが基本です。

女性が就労など社会へ参画するための支援が必要なことと同時に、男性特有のリスクや社会的課題が見えてきた中で、男性が家庭や地域社会に参画するための支援を考えなければならない時に来ていると感じています。

本区でも今後、男性のライフサイクルを見通し、継続的な支援に取り組むべきではないでしょうか。


女性の社会参画への支援と同時に男性が家庭や地域社会へ参画していくには支援が必要だと考える。
男性支援はライフサイクルを見据え、部署を越えた連続的な支援が必要だと考えるがいかがか。また、後期実施計画にこのような視点を導入すべきと考えるがいかがか。
【区長】
男性が家庭生活や地域社会に参画していくための支援についてのご質問にお答えいたします。
 「葛飾区男女平等に関する意識と実態調査」によれば、約3割の男性が「仕事よりも家庭生活や地域・個人の生活などの仕事以外の生活を優先させたい」、約5割の男性が「仕事と仕事以外の生活を両立させたい」と答えております。一方、男性の家事や育児等への家庭生活への参画は増えてきてはいるものの、まだ、その多くを女性が担っている状況です。また、地域活動へ参画している人の割合は、男女ともに多いと言える状況にはありません。
 男性が個々の希望に応じて、仕事以外の子育て・介護・地域活動といった様々な場に参画していくことは、より充実した人生を送るための重要な要素であると捉え、男性のライフサイクル全体を見通した、連続的な視点を持ち、支援を行っていくことが大切です。
 また、仕事中心である男性が家庭生活や地域活動などの仕事以外の生活に参画していくためには、家事や育児、介護などの知識、スキルの習得や仲間づくりの機会の提供など、参加へのきっかけにつながる支援や、男性特有の悩みや課題などを理解した支援が必要であると考えております。
 そのため、後期実施計画においては、このような視点を十分に踏まえ、「仕事と生活の調和応援事業」や「男性の家庭生活への参画支援事業」を計画事業とするとともに、男女平等推進本部会等において、関係各課の情報共有や連携強化を図り、男女平等社会の実現に向けた連続的な男性支援を充実してまいります。
今後、子育て拠点施設の拡充などに向けてパパママ学級の拡大などの考えについてうかがうとともに、イクメンブルーなど、子育て中の男性への支援が求められるが、男性保護者への子育て相談などの支援についての考えをうかがう。
【子育て支援部長】
初めて子を授かった保護者に対しまして、親となるための心構えや赤ちゃんへの対応方法など、子育ての不安を解消する講座の実施や相談・啓発は大変重要なものと考えております。
 子育てをめぐる動きといたしましては、従来から核家族化の進展や共働き世帯の増加について指摘されてまいりましたが、近年では働き方改革を背景に、育児・家庭生活における夫婦・男性・女性のありようが大きく変わりつつある状況といえます。
 お話の「パパママ学級」ですが、今年度、区内の6施設で、47回の開催を予定しております。この講座は、パパだけでも参加しやすい配慮を行うとともに、実際に木浴槽にお湯を張り、沐浴人形を使って実習していただく体験型の講習会としており、大変好評で参加者も年ごとに増加しております。
 この「パパママ学級」ですが、男性の育児参加の機会の増加を踏まえ、「パパ」が参加しやすいよう、従来実施していた「ファミリー学級」「母親学級」を、平成26年度に「パパママ学級」「ハローベビー教室」と再構築したものでございます。
 そのほか、区が開催している育児講座などの中には、開催日時やテーマとその内容、雰囲気などがパパにとって必ずしも参加しやすいとは限らないものがあると考えております。
これから開設される子育て支援拠点施設におきましては、イクメンブルー対応を含めこれらの課題も改善しながら、性別に関わりなく、誰もが気軽に訪れ、相談ができ、子育てをしている仲間作りができるよう、健康部や子育て支援部が連携して各種事業の拡充を図ってまいります。
幼稚園・保育園や小・中学校での父親の会・おやじの会などの活動は男性保護者の学校や地域活動への窓口になる。
教育委員会として団体同士の情報交換や講座などの支援をすべきと考えるがいかがか
【学校教育担当部長】
男女平等社会の実現に向けて家庭や地域社会への男性の参画は欠かせないものであり、男性保護者の教育への積極的なかかわりは、子どもの成長にとって好ましい影響をもたらすことから、区としてその支援を行うことは大変重要なことと認識しております。
 こうした考えに基づき、本区におきましては、「葛飾教育の日」の学校公開、家庭教育講座の開催や家庭教育応援制度の実施など、様々な事業や啓発活動を通して、男性保護者の教育参加を支援する取組みを進めてきたところでございます。
 しかしながら、こうした事業や学校支援活動等については、一部の男性保護者の参加にとどまっているのが現状であり、いかに男性保護者の教育参加を促進させ、活躍できる機会を増やしていくかが課題となっています。
 こうした中、「親父の会」や「おやじの会」などに参加し活動することは、仲間づくりや保護者としての学びを通して、将来的に学校支援活動や地域活動への参加につながる有意義なものと考えております。
 お話にありました支援策につきましては、ますは各学校等における「父親の会」などの活動実態をPTAと連携して調査し、検討してまいりたいと考えております。
1、男性介護者の社会的孤立を防止するために、相談窓口の強化やケアラーズカフェへの支援などをすべきと考えるがいかがか。

2、また、男性高齢者の社会参加について就業支援や区内のNPO団体などとの協働など多方面から取り組むべきと考えるがいかがか。
【福祉部長】
1、高齢化・核家族化の進展により、男性も介護を担う場面が増え、仕事と介護の両立が困難となって行き詰まり介護離職してしまう、あるいは、社会との繋がりが希薄となり孤立してしまうケースが増えております。
 まず、相談窓口の強化につきましては、介護に関する悩みごとを相談できる高齢者総合相談センターの機能を引き続き強化するとともに、平日は夜7時まで開所していること、土曜日も相談に応じられることなどをより広く周知してまいります。
 次に、ケアラーズカフェの支援につきましては、現在区内各所に認知症の方やご家族を対象としたオレンジカフェを開設しておりますが、認知症に限定しない、様々な介護の悩みごとの相談や情報交換、休息の場となるケアラーズカフェについても、設置する意義やニーズの高まりを深く認識しているところです。
 この点を踏まえ、ケアラーズカフェについては、広く介護者全体を対象としつつ、多くの男性介護者にも参加しやすい仕組みがどのようなものか、他自治体や民間での取り組みを参考に検討してまいります。

【福祉部長】
2、高齢者の社会参加や地域での交流に関して、区はシニア活動支援センターの介護予防教室や高齢者総合相談センター等で実施しているオレンジカフェなどの取組を進めておりますが、いずれも女性と比較して男性の参加者が少なく、男性が参加しやすい工夫が必要であると認識しているところです。
 一方、区からシニア活動支援センター内のシニアIT・活動情報サロンの運営を受託しているNPO法人等、区内には男性が多く活動している団体もございます。また、葛飾区シルバー人材センターも男性の会員が7割を超えており、高齢者向け無料職業紹介所であるワークスかつしかにおいいても、相談者の半数以上が男性です。高齢者の就業支援は経済的自立に加えて、健康や生きがいづくりを支援し、社会参加につながるものと考えており、男性でも相談や活動のきっかけとなりやすい面もあると考えております。
 区では、NPO法人との協働やシルバー人材センター等への支援を引き続き行うとともに、これらの団体と意見交換を行いながら男性が参加しやすい事業の展開について、様々な視点で検討してまいります。