議会活動

質問要旨

水害対策の強化について

まず、水害対策の強化についてうかがいます。

本区の位置する東京低地は、大規模な水害が繰り返され、洪水との戦いのため、放水路や水門の整備が進められてきました。

特に戦後の治水対策は、洪水をいち早く海へ流すために川を直線化するとともに、堤防を高くし、都市部を守る方向で進んできましたが、そのため堤防により川と人とが切り離され、過去の氾濫原にも人が住むようになってきました。

本区ではキャスリン台風以降大規模な水害に見舞われておらず、また、近年、内水氾濫もほとんど発生していないため、水害への意識が薄まっていると感じています。

しかし、全国的に見ると平成27年の常総市の水害や、今年7月の西日本豪雨など、この数年、時間雨量50mmを超える「短時間降雨」の増加や、総雨量が1,000mmを越える豪雨が頻発し、雨の降り方が想定を超え、局地化、集中化、激甚化するようになってきました。

今年は近畿地方で台風21号による高潮で、大きな被害が発生しましたが、今後はそれを上回るスーパー台風の発生も想定されています。

治水について、これまでは行政中心に「自然の力を抑え込み、水害を完全に防ぐこと」を主眼に置いてきましたが、雨の振り方が想定を超えてきた現在、自然の力は完全に抑えることは不可能である、と考え方が変わり、まず、人命を守ることを優先に、行政のみでなく「一人一人も」が対応を考えていかなければならない状況になってきました。

先般、江東五区において「広域水害避難計画」と「大規模水害ハザードマップ」が公表され、本区も含めたこの地域の危険性が示されましたが、区民の間では大規模水害に対してのイメージが確立されているとは言えません。

特に新小岩公園の高台化が議論されていますが、どのような状況で避難をするのか、高台がなぜ必要なのか、公園との両立をどう進めるのかなど、時間をかけて議論を進め、合意形成に努めるべきだと考えています。


葛飾区の水害対策の現状について伺う。
【区長】
葛飾区の水害対策の現状についてのご質問にお答えいたします。
 東京低地の水害対策は、これまで、放水路や水門が整備されるとともに、上流では洪水調節としてダムの建設、中流では荒川第一調節池・彩湖をはじめとする調節池が整備されてまいりました。
 現在も、国においては、八ッ場ダムの建設等の洪水調節量の確保や第二、第三調節池の整備が進められており、東京都では、中川下流部において、堤防の耐震化や西新小岩地区の緩傾斜型堤防整備が進められております。
 本区でも、これまで、公共施設・民間施設の雨水流出抑制指導や、ハザードマップの配布、広域避難の周知、逃げ遅れた場合の垂直避難先「洪水緊急避難建物」の指定などを実施してまいりました。
 併せて、逃げ遅れ等の広域避難が一部でも機能しなかった際の備えとして、一時避難できる施設を増やし、長期的避難にも耐えられるよう自家発電設備や備蓄倉庫等の施設整備を誘導することや、河川堤防の強化と一体になった防災拠点の整備などを目指す「浸水対応型市街地構想」を検討しております。
 この構想の実現方策の一つとして、今後も、新小岩公園の防災機能の強化について検討を進めてまいります。
水害対策を進めるには、ハード面ソフト面ともに区民の理解・協力が不可欠である。今後どのように進めていくのか方向性を伺う。
【区長】
まず、水害対策における区民の理解・協力を得るための今後の方向性についてのご質問にお答えいたします。
 昭和22年のカスリーン台風以降、大規模な水害被害を受けていない本区では、区民の大規模水害に対するイメージにそれぞれ相違があり、水害に備えた事前対策の必要性や水害時の避難行動のあり方等が、十分に地域に浸透していない部分があります。
 このようなことから、引き続き、江東5区大規模水害ハザードマップ等の水害対策に関する情報提供や水害に関するシンポジウム等を開催し、区民の意識啓発を進めてまいります。
 また、新小岩公園の防災機能強化をはじめとする具体的な事業の推進にあたっては、区民に対し、水害対策の必要性やこれに関する国、都、区の取組み等を周知し、水害時の避難方法等を分りやすく説明するとともに、スポーツ・レクリエーション・イベント等の日常的な施設の利用が可能なように意見交換を十分に行いながら、今後も防災拠点の整備に向けて、丁寧な議論を進めてまいります。