議会活動

質問要旨

この度、今後四年間の後期実施計画が策定されましたが、2013年に策定された現基本計画も後半になり、次の基本計画の策定も視野に入ってきました。

次期基本計画の検討は2019年度から始まると伺っていますが、そこでは、新しい社会情勢を先取りし、既存の枠組みを乗り越え、持続可能性を追求した基本計画の策定を求めます。

本区の人口ビジョンによると2025年まで現在と同水準で人口が推移したのち、人口減少に転じると予想されています。

現状は、再開発や各種施策により人口増が続いていますが、早晩、日本全体の問題としても人口減少は避けられない状況です。

その時、予想される納税者数の減少による税収減、社会保障制度の不安定化をはじめ、公共サービスの維持、公共施設の再編、住民参加のあり方などを、改めて議論し、持続可能な発展に向けての体制整備が急務です。

先般、日経新聞の報道でSDGs持続可能な開発目標において、本区が全国658自治体中14位に位置づけられたと報じられました。

昨年の代表質問でも触れましたが、SDGsサスティナブルデベロップメントゴールズは2030年に向けて取り組むべき国際的・普遍的な目標です。

この報道を分析すると、本区は経済分野では全国71位、「社会分野では30位、環境分野で18位でした。

他の自治体では一つの分野で秀でて上位にあっても、他の分野の評価が低く、平均評価が下がるところが多い一方、本区では個別には決して突出したものがない中、平均すると総合順位が上がったと考えられます。

今後、この評価を検証し、SDGsを体系付け、それぞれの施策の実効性を高めるとともに、次期基本計画に向けて、本区としての目標を設定し、方針を明確にすべきです。

持続可能な発展に向けては多岐にわたる分野の関係者との協働、市民参加がさらに重要性を増してきます。

社会のうごきが速い現代、行政の手が行き届かない課題や、分野をまたがった課題、まだ社会的に認知されていない新たな課題に対して、市民活動や社会企業家がいち早く支援の必要性を訴えたり、行動を起こしていることが数多くあります。

区として当事者からの発信をいち早く受け止め、イノベーションを生み出すために、市民活動や社会起業家とどのように連携していくのか、協働を進めるための学びや、場をどのように作っていくのかなど、今後柔軟な発想と対応が求められてくるようになってきます。

そのために、職員の協働への意識をいかに高められるかも大きな課題です。

協働や市民参加を進めるための全庁的な体制をつくるために、区としての方針を明確にし、共有することを求めたいと思います。

地域の包括的なケアについても、持続可能性が求められていますが、それには個人の問題からその背景まで、視野に入れる必要があると感じています。

高齢者に対してのケアも、例えば引きこもりの高齢化8050問題や、若い世代がケアを担う・ヤングケアラーなど、その背景にある家庭の課題が顕在化してきました。

また、社会的弱者、障害児、障害者や、子育て世帯など、多様な主体を社会全体で包摂する関係作りや、ケアをする側への支援など多様な課題に対し、地域の中でつながり、支え合う場が求められていると強く感じています。

一方的な支援ではなく、支え合うことでお互いエンパワメントされることも含めて、地域での包括的な支援をデザインし直す時期に来ていると思います。

そこでは、地域で生活するために必要な環境整備、ユニバーサルデザインの交通や、防災などまちづくりも視野に入れての支援も検討されるべきではないでしょうか。

また、様々な関係者との連携が必要な発達障害において、乳幼児期の早期発見から学齢期、青年期への連続的な支援、療育・教育・就労・精神保健との接続、家庭への支援など課題が様々な部署にわたりながら、統括する所管がなく、まだ当事者に寄り添った支援が構築されているとはいません。

発達障害自体の理解がまだ進まない中、成人期の発達障害や、二次障害に直面する当事者、孤立する家族への支援なども含め、総合的な窓口の整備などの検討が急がれます。

持続可能な発展のためには今後、外国人の受け入れは避けて通れない課題です。
近年、区内の外国人は平成20年の13,611人から平成30年には20,698人と増加しています。

昨年の国会において入管法が改正され、今後もさらに増えると予想されています。

すでに一部企業においては外国人人材が欠かせない存在になっていたり、一部の国のコミュニティーが形成されるなど既に隣人として存在しています。

それぞれ一人の人として接するために、言語の違いや文化・宗教の相互理解を進めることはもちろん、行政窓口の対応、子育て・教育・福祉の支援、人材育成支援、地域との関係づくりなど、外国から来られた住民に対しての支援について、全庁的な方針も検討すべきと考えています。

 

持続可能な発展のためにはまちづくりの視点も欠かせません。都市計画マスタープランにおいて、七つの川に囲まれた本区の特性を活かし、水と緑豊かな 心触れ合う 住みよいまちをめざすとし、河川について各所で触れられています。しかし現状では河川の活用について、具体的な方針は見えません。

 

河川をめぐっては、周辺地域との連続した整備、防災面での活用、舟運の検討、生物多様性の保全、地球温暖化対策、景観、観光資源、歴史の継承など多岐にわたる課題を総合的に捉えた計画が必要だと考えています。

持続可能なまちを実現するためにも河川計画を検討すべきです。


今後、本区においても人口減少は必然と考えるがどう対応するのか。
また、財源の減少への対応、公共サービスや、公共施設の維持のあり方についての考えをうかがう。
【区長】
本区では、中期実施計画の策定に合わせて人口ビジョンを策定しました。人口ビジョンでは、2025年頃まで人口はほぼ横ばいで推移するとしていましたが、実際には人口ビジョン策定後、人口は毎年増加を続けています。
東京都全体でも人口は増加していますが、少子化の影響などから、およそ10年後をピークに人口は減少局面に入ると推測されています。人口減少に伴い、税収も減少する可能性があり、また公共サービスや公共施設へのニーズも、総量としては減少していくものと考えられます。
 人口を維持していくことは地域の活力を維持していくことにもつながります。そのため区としては、今後さらなる魅力ある街づくりを進めるとともに、子育てしやすい環境づくりも一層推し進め、現在の人口水準を可能な限り維持していきたいと考えておりますが、実際の人口動態を見極め、区の財政状況も考慮しながら、公共施設、公共サービスとも質、量両面から、そのあり方について、時代のニーズにもあわせた見直しを常に図ってまいります。
次期基本計画については、持続可能な開発目標SDGsに向けて、施策を体系づけ、区としての目標を定めるべきだと考えるがいかがか。
【政策経営部長】
SDGsとは、世界が2016年から2030年までに達成すべき17の環境や開発に関する国際目標であり、17の目標と169のターゲットがございます。
 区では、これまで、たとえば保健の分野では、待機児童解消や健康寿命延伸への取り組み、教育の分野では学校教育環境の充実、エネルギーの分野では、再生可能エネルギーの利用促進など、自治体としての持続可能性を維持する取り組みを進めてきたところであり、先日日本経済新聞で連日にわたり公表された全国市区のSDGs先進度総合ランキングでは、815自治体中14位という高い評価を得たところです。
 SDGsにおける17の目標は、質の高い教育の実現や再生可能エネルギーの利用など、区の施策の中で実施できるものもありますが、海洋資源の保全など、区の施策とは直接結びつきにくいものや直接結びつかないものもございます。
 こうしたことから、新基本計画における施策をSDGsが定める全項目の目標と結びつけることは難しい面もございますが、自治体としての持続可能性を維持するという視点は、次期計画を定めるうえでも大変重要だと認識しており、こうした視点も考慮して、新基本計画における事業目標等を検討してまいります。
多様化する社会的課題に立ち向かうために、協働がますます重要になるが、市民活動や社会企業家との連携や、それらを支援するための区の方針を明確にすべきと考えるがいかがか。
【区長】
協働につきましては、葛飾区基本計画の中で、計画を推進するための「計画を貫く理念」として掲げております。
 中期実施計画におきましても、地域活動団体への活動支援の拡充を図るとともに、職員出前講座の開催、協働事例集の作成や協働DVDの制作など、区の現状や取組み、協働による活動を広く区民に紹介することにより、協働意識の醸成を図りました。また、地域社会貢献活動の功績をたたえる協働まちづくり表彰の実施や職員向け協働推進ガイドラインを策定し、協働の担い手の育成に努めました。
 さらに、後期実施計画におきましては、地域活動団体への支援を拡充するとともに、かつしか花いっぱいのまちづくり推進協議会と協働で開発しました「フラワーメリーゴーランド」や、商店街と株式会社タカラトミーが協働で実施しました「まちあそび人生ゲーㇺIN葛飾」など、おもてなしの気運の醸成や商店街の活性化に繋げてまいります。
 今後、さらに多様化していく社会的課題に対しましては、市民活動団体などとの連携が、ますます重要になってくると考えております。このため、各種団体などが持つ活動目的とその活動を必要とする団体とのマッチングの強化を図ってまいります。同時に、個人や企業、外国人、障害のある方など46万区民のすべてが、同じ目的を持った人たちとともに活動し、その活動を必要とする人たちを支えることで、満足度や充実感を高め合える仕組みづくりを進めてまいります。
 私は、今後とも協働をさらに発展させていくため、後期実施計画での検証を行いながら、より具体的な取組みを次期基本計画へ盛り込み、「夢と誇りあるふるさと葛飾」を実現してまいる所存です。
様々なケアを必要とする人への支援や、それらに付随する交通、災害対策など多岐に関わる課題を見据えて、地域での包括的な支援を構築しなおすべきと考えるがいかがか。
【政策経営部長】
これまで、中期実施計画では、「地域包括ケアシステムの推進」を計画事業のひとつに掲げておりましたが、今後、この地域包括ケアシステムをさらに広げていくためには、全庁横断的な取り組みが必要であることから、後期実施計画では、「地域包括ケアシステムの深化・推進」を新たな重要プロジェクトに位置付けることといたしました。
 お話にありましたとおり、様々なケアを必要とする方に、交通や災害対策、住宅セーフティーネットなど、地域で包括的な支援を実施していくためには、現在構築を進めております地域包括ケア体制を、さらに推進していく必要があると認識しております。
 新基本計画の策定にあたっては、今回、後期実施計画で掲げたプロジェクトの進捗状況を踏まえ、地域での包括的な支援体制構築のための事業を計画化してまいります。
発達障害は、年齢に応じた支援や社会との接続、関係機関の連携が重要になる。
障害への理解とともに、総合的な窓口の整備や専門的な支援、多方面の連携など全庁的に体制整備を検討すべきと考えるがいかがか。
【政策経営部長】
発達障害は注意欠陥・多動症や学習障害などを含む幅広い概念を指すものですが、症状によっては発見しづらく、大人になってから気づき、診断がつく場合も多いと聞いており、近年大人の発達障害として社会的な課題となってきているものと認識しております。
 現在区で策定を進めております、子ども若者計画において、39歳までの子ども若者の自立に向け、その年齢層に応じて様々な支援の取組みを掲げており、様々な悩みをもつ若者を支援するための相談窓口も設置していく予定です。
 しかし一方で、40歳以降の方も含めた発達障害者に対する総合的な相談窓口の整備検討には至っておりません。
 就学期を過ぎると、社会的な立場や環境も様々となり、また必要とされる支援も、対象者の状況に応じて展開していく必要があることから、専門的な体制やノウハウが必要となります。今後、具体的なニーズを把握しながら、実施手法について検討してまいります。
今後、外国人の受け入れの拡大が予想され、全庁的な対応が求められるが方向性について伺いたい。
【政策経営部長】
近年、本区における外国人転入者は、2千人を超えるペースで推移しております。いわゆる入管法の改正に伴い、今後、外国人転入者の数は一層増加していくものと推測されます。
 外国人住民が増加することにより、地域生活において、課題やトラブルが生じてきている状況と認識しております。言語の違いはもとより、生活習慣なども異なることから、外国人住民が地域社会に溶け込み、さらには地域の活力として活躍していただくためには、日本で安定した有意義な生活を送ってもらうための総合的な支援が必要と考えております。
 出身国によって言語や生活習慣も異なることから、その支援体制を実効性のあるものとするためには、専門的な知識とノウハウが必要となると考えております。
 区では、新年度から、区役所総合庁舎に専門スタッフを配置して、外国人の方の手続き等のサポートを実施してまいりますが、さらに外国人住民が増加することも見据え、今後も引き続き、必要な対応を検討してまいります。
川に囲まれた本区の特性を活かし、まちづくり、環境」、災害対応、交通、観光など様々な視点での河川とその周辺の利活用を具体化するために、河川計画を持つべきと考えるがいかがか。
【政策経営部長】
お話にありましたとおり、本区は河川に囲まれた、水と緑ゆたかな地域です。矢切の渡しは全国的に有名ですが、区はこれまでも、葛飾菖蒲まつりの期間に合わせて水上バスを運行するなどの取り組みを進めてきました。河川の活用は、観光の分野に限らず、防災やまちづくりなど、様々な分野で考えられます。
 一方、本区を流れる河川は、全体的に水深が浅く、また平坦な地形であることから、流れが弱いなどの特徴があります。
 現在、旅行代理店や船舶運航会社と協力して、本区を流れるそれぞれの河川について、運航できる船舶の形状などの条件や、運航可能なルートと所要時間、さらには船舶の確保策などの課題について、検討を始めたところです。これらの他にも、多額の費用もかかる水深確保のための浚渫工事など様々な課題もございますが、1つ1つ解決を図りながら、河川に囲まれた本区ならではの環境をいっそう活用できる方策を検討してまいります。