議会活動

質問要旨

この度、今後の葛飾区の学びのあり方・方向性を決める教育振興基本計画が策定されました。

本計画において注視すべきは、2020年度より小学校で、2021年度より中学校で新 学習指導要領が導入されることです。

この新 学習指導要領への問題意識について、平成28年の中教審の答申では

「近年、知識・情報・技術をめぐる変化の早さが加速度的となり、情報化やグローバル化といった社会的変化が、人間の予測を超えて進展」しているとし、

「様々な情報や出来事を受け止め、主体的に判断しながら、自分を社会の中でどのように位置付け、社会をどう描くかを考え、他者と一緒に生き、課題を解決していくための力の育成が社会的な要請」とされています。

ここでは何を学ぶかと同時に、どのように学ぶかが問われています。

特に、一方的な知識の伝達ではなく、アクティブラーニング「主体的・対話的で深い学び」が求められています。

 

「主体的」とは自らどのように課題に向き合うのか、

「対話的」は異なる他者と向き合い、そこからの気づきをどう学びにつなげるのか、

「深い学び」は答えありきでなく、情報をつなぎ合わせ、自らの考えとして持ち、身につけた知識や技能を発揮することができるか、と理解しています。

また、新 学習指導要領ではアクティブラーニングの取組みの他、英語・道徳の教科化や教科横断的な取組み・カリキュラムマネジメントなど教員に新しい課題が求められています。

しかし一方で、この1月に出された中教審の働き方改革の答申の中では教員の負担、長時間労働の問題が指摘され、勤務時数の制限が求められています。

ここでは、「教員の労働環境を整備しながら、質の向上をはかる」という一見相反することをなさなければなりません。

教員の業務の効率化を図るため、業務の仕分けをしながら、新 学習指導要領に対応するための体制整備を進めることが課題です。

 

さて、新 学習指導要領では全ての教科において学校図書館の活用が期待されており、今後の学びに欠かせない施設となっています。

本区でも昨年度小・中学校それぞれ一校ずつで、今年度小学校一校の計3校で学校図書館を活用した研究発表が行われました。

そこでは各教科の中で学校図書館が活用され、先生方の授業作りや、子どもの学習に寄与していることに感銘を受けました。

来年度から学校司書の勤務時間が週30時間になることは高く評価したいと思いますが、全ての学校がこの研究校のようにすぐ活用できるかは疑問です。

学校図書館が学習センターとしての機能を果たすためには学校任せでなく、教育委員会として専門性を持ち、継続的な支援体制を組むこと、毎年分掌が変わる指導主事のみでなく、担当者やスーパーバイザーの配置の必要性を強く訴えさせていただきます。

 

本計画では「一人一人を大切にする教育」として、課題を抱えた子どもの支援も進められています。

地域の大半の子どもが通う公立学校は、子どもの様々な課題、例えば「不登校」や「いじめ」、「発達障害」、「貧困」、「虐待」などに接する最前線といえ、学校が「課題を抱えた子ども」と「支援」とをつなげる「プラットフォーム」としての機能を果たすことを期待しています。

さらに葛飾区版ネウボラも教育委員会まで広げられ、学校現場に求められることは多様化、複雑化し、専門性も求められています。

それらをバックアップするためにも、総合教育センターの役割はますます大きくなってきています。

現在、「学校支援総合対策事業」として「不登校対策プロジェクト」・「にほんごステップアップ教室」・「発達障害への支援」の三本柱が進められていますが、それぞれ課題が複合的に絡みあうこともあり、一つ一つのケースの解決に、様々な支援をつなぎ合わせることも必要になっています。

一人一人の子どもに寄り添った支援を進めるためには「教育機会確保法」や「子ども・若者育成支援法」「障がい者差別解消法」などを踏まえ、組織の整備や学校へのコンサルテーション、外部との連携、保護者支援などが求められています。

それを実現するためには専門性を持った「管理職」の配置や、全体を統括する「センター長」機能の導入が欠かせないと指摘させていただきます。

さて、新 学習指導要領では、子どもに新しい課題に対応する力の育成が求められていますが、実際の社会ではどうでしょう。

学校教育は「生涯学び続ける基礎を作るためにある」、と言われていますが、その受け皿としての生涯学習社会もどのように作っていくかを、意識しなければなりません。

終身雇用制が主流だった時代の「企業内教育」から、「非正規雇用など就労が流動化した現在の社会教育」のあり方、「リカレント教育など学び直し」、また、「ICTなどネットワークが社会生活に浸透してきた中でのリテラシー」、「社会的包摂の理解」など以前とは違った学びを社会全体でどのように作っていくのかが改めて問われています。

ユネスコ21世紀 国際 教育委員会は生涯学習論として、

・知ることを学ぶ

・なすことを学ぶ

・ともに生きることを学ぶ

・人間として生きることを学ぶ

の四つの柱を提示しています。

これは、生涯学習を個人の問題で閉じるのではなく、より良い社会を築くために欠かせないことであることを示しています。

それを実現して行くためには、社会教育などの専門性を持った職員の育成など支援体制の整備が必要だと指摘させていただきます。

 

また、今年、区民大学は10周年を迎えますが、講座を開催するだけではなく、社会的課題に向き合う活動に結びついた事例も拝見してきました。

今後、「社会の課題」を学び、「学んだことを社会に返し」ていく「学びの循環」を産み出す仕組みが確立されることを期待します。

 

地域教育では、今回の計画の中でも「遊びの環境を整える」としています。

 

しかし、私も平成27年の第一回定例会で一般質問した他、議会でも議論され、子ども区議会や少年の主張でも子どもたちから何度も指摘されながら、地域の公園などの遊び場環境が改善できない状況が続いてきました。

これは所管が教育委員会のみでなく、都市整備部などが関わり、また利用者は「乳幼児」から「高齢者」まで多岐にわたっていることや、「近隣住民との調整」が必要なことなどがハードルなっているからだと考えられます。

 

先般、会派で千代田区の遊び場事業の視察をしましたが、「子どもの遊び場確保に関する検討会」を設置して、課題共有し、遊び場解放を実現してきました。

また、川崎市では公園でのルール作りのガイドラインをホームページで公表し、地域での合意形成の考え方が示されています。

本区においても単発の対応ではなく、子どもの遊びの意義を共有し、専門的な知見も交えて全区的、全庁的に検討をするべき時期にきていると感じます。


新 学習指導要領のもと、多様な学びが求められる一方、教員の働き方への課題が指摘されている。教員の労働環境と合わせて、資質向上をどのように整備していくのか考えをうかがう。
【教育長】
新学習指導要領において、小・中学校における道徳の教科化、小学校外国語の教科化、プログラミング教育の導入など、教科の内容が充実されます。また、「主体的・対話的で深い学び」による指導、新しい学習評価の方法やカリキュラム・マネジメントによる教科課程の組織的・計画的な改善が行われます。
 こうした変化に伴い学校の課題が複雑化・多様化する中、教員の長時間勤務を看過できない実態があります。
 このような中、文部科学省において、平成31年1月25日に「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」が策定され、1か月の在校等時間について、超過勤務45時間以内を原則とする等の内容が示されました。
 本区におきましても、国の方針を踏まえ、教員の長時間労働の改善のため、「(仮称)葛飾区立学校における働き方改革推進プラン」の策定を進めています。
 教員の資質向上については、学校の業務軽減を図ることにより、教員が児童・生徒と向き合う時間を創出するとともに、全小・中学校で行っている校内研修の充実やOJTの活性化により、教員の協力体制を確立することで、勤務時間の中で効率よい取組みを推進する必要があると考えています。
 本区は、学校における研究活動を推進しており、毎年10校程度を教育研究指定校として指定しております。校内研究のよさは、出張のための移動時間を必要としないことであり、自校の子どもの実態に合わせて研修ができます。また、指定された学校は、学校の教育課題に応じた2年間の研究成果を発表することにより指導力が向上するとともに、区内の教員と研究成果を共有しております。
 経験不足等により、授業準備や校務処理に時間を要する若手教員に対しては、新規採用から3年間、退職校長による定期的な指導を受けることで、効果的に教員としての資質向上を図っております。
 今後は、教育の情報化を推進する中で、学校ではICT機器を活用した授業がさらに増えていきます。教員は、ICT機器を活用した授業の進め方や教材を区内全小・中学校で共有することで、効率化を図ることができるようになり、教材研究の時間が軽減されることが見込まれます。
 教育委員会といたしましては、働き方改革と併せて、校内外における研修の推進やICT機器の活用により効率的な教育活動を推進させることで、教員の資質向上を図ってまいります。
新 学習指導要領に基づいた「学習センター」を全小・中学校で機能させるために、教育委員会として、学習センターを支援する窓口の設置や、スーパーバイザーなどを導入し、支援機能を確立すべきと考えるがいかがか。
【教育長】
学習センターは、これまでの学校図書館としての機能に加え、児童・生徒がより主体的に学習活動に取り組めるよう、ICT機器を活用して、調べ学習や自学自習に取り組めるようなスペースを設けます。
 また、学習センターのハード面についても学習環境を整えるために、新たな机やパーテーションなどを設置し、児童・生徒が集中して学べる場としての整備を行ってまいります。
 これらの機能をさらに充実させるため、学校司書の配置を平成31年度から、週30時間へ拡大する予定であり、学校司書の資質の向上が課題であると捉えております。
 学校司書の役割は、図書の選定、収集、整理、貸出し、読書活動の充実の他、児童・生徒の主体的・意欲的な学習活動のための図書資料活用等の教員支援などがあります。
 これらのことを進めるため、学校司書及び司書教諭の研修を年2回から6回に増やす予定です。また、新規採用の学校司書については、研修とは別に、ベテランの学校司書が巡回し、丁寧に指導・助言を行うことにしています。
 これらの研修の充実や全小・中学校の学校司書の活動の様子を把握し、指導・助言を行うことなど、学習センターの運営に関することを一元化して進めることは重要なことと認識しております。今後は、学校図書館の効果的な活用に専門的な知識のある人材を、スーパーバイザーとして配置することについて、検討してまいります。
総合教育センターでは、多様で広範囲にわたる課題に対応するために、全体を統括する機能や、専門性を持った組織の体制整備を急ぐとともに、庁内組織を越えた連携を構築する必要があると考えるがいかがか。
【教育長】
総合教育センターでは、特別支援教育、いじめ、不登校、日本語教育など、多様な課題に対応するため、指導主事、心理士、スクールソーシャルワーカー、警察OB、日本語指導員など専門性のある職員が各担当事務の役割を担っております。そして、学校教育支援担当課長が各担当業務の情報を調整しながら、総合教育センターで実施している事業全体を統括し、対応しております。
 しかしながら、多様で広範囲にわたる課題にさらに的確に対応するためには、総合教育センター内の各担当職員がより一層連携して対応することができる体制の整備が重要であると考えております。
 今後は、課長のリーダーシップのもと、係長、指導主事が今まで以上に専門性のある職員をとりまとめ、情報の共有、連携を強化することにより、総合教育センターがより組織的に対応していく体制を充実させてまいります。また、いじめ、不登校など、庁内組織の連携だけでは適切に対応できない案件も増加しております。警察、児童相談所等の関係機関と庁内組織を越えた連携をより一層進めてまいります。
教育委員会として生涯学習の方針を明確にし、専門性を持った体制整備が必要だと考えるがいかがか。
また、10周年を迎える区民大学の方向性をうかがいたい。
【教育長】
 はじめに、教育委員会として生涯学習の方針を明確にし、専門性を持った体制整備の必要性ついてのご質問にお答えいたします。
 葛飾区教育大綱及び葛飾区教育振興基本計画でもお示ししておりますとおり、「夢と誇りあるふるさと葛飾」実現のため、区民の学びを支援していくことや、学び支える地域の担い手づくりに取り組むことは、とても重要であると認識しております。
 多様化する区民の学びを支え、その質を高めていくためには、学びを触発し、その活動をコーディネイトすることができる、専門性を持った体制の整備は重要であり、区ではこれまでも教育委員会に社会教育主事を配置し、その専門性を活かして、区民の学びをサポートしてまいりました。
 また、区民の学習活動への参加意欲の高まりの中で、かつしか区民大学区民運営委員や博物館ボランティアといった、学習活動をコーディネイトする区民も増えてきております。
 今後も、学びあい教えあうことができる地域人材の育成に力を入れ、引き続き専門性を持った体制の整備に努めてまいります。
 次に、10周年を迎えるかつしか区民大学の方向性についてお答えいたします。
 本年で10周年を迎えることとかなったかつしか区民大学は、これまで各種団体との連携講座や、著名人をお招きしての特別講演会などを開催し、またかつしか区民大学区民運営委員などの区民との協働による講座の展開などにより、講座数は年々増え続け、現在は年間100回程度の講座を開催しております。
 これからは、連続講座などの継続した学びを作り出すメニューを開発し、講座内容の充実を図り、量から質へ転換して、新たな受講者層の開拓に努めてまいります。
 また、学びから実践への道筋を、より具体的に示す講座を展開することで、学びの循環を図り、区民がまちづくりの主人公になるための学びの仕組みづくりに取り組みことを進め、かつしか区民大学のさらなる充実に取り組んでまいります。
地域でのあそび場環境は、子どもの発達やまちづくりの視点から、遊びの意義を確認する必要があるが、改めて子どもの遊びについての見解をうかがう。
また、専門家も交え現状を分析し、全庁的に方針を検討する必要があると考えるがいかがか。
現在の子どもは体力やコミュニケーション能力の育成が大きな課題となっており、遊びは子どもの成長・発達に欠くことのできないものでございます。
 子どもにとっての遊び場環境は様々なものがありますが、各地域にある公園もその1つです。しかしながら、現状では「野球・サッカー禁止」とされている公園もあり、本来、最も体を動かして遊びたい小学生が、ボール遊びができず、家の中で、ひとりで、ゲームで遊ぶこととなる要因の1つとなっているのではないかと考えております。
 このような問題意識を教育委員会としてもっており、公園課とも連携しながら、ボール遊びができる公園を1つでも増やしていきたいと考えているところでございます。
 次に、専門家も交え現状を分析し、全庁的に方針を検討する必要があると考えるがいかがとのご質問にお答えいたします。
 地域の公園などの遊び場の環境改善につきましては、ご指摘いただきましたように、利用者が多岐にわたることや近隣住民との調性など、多くの課題があることは認識しているところでございます。
 今後、子どもの意見も聞きながら、お話にありました他の自治体の取組事例なども参考に、ボール遊びなどができるような遊び場の環境改善に向けて、どのように全庁的に方針を検討していくべきか、関係課で協議を進めてまいりたいと考えております。