議会活動

質問要旨

依存症は脳内の神経伝達物質が異常をきたし、脳が快感や刺激を求め続け、元には戻らない状態であり、それを維持するために表面化する様々な問題行動が課題になっています。

先の国会でIR法=総合型リゾート整備法と同時に「ギャンブル等依存症対策基本法」が成立し、この10月に施行されました。

この基本法の成立には、支援の必要性をうったえてきた「ギャンブル依存症問題を考える会」など、当事者団体が大きな力を発揮したと聞いています。

この法律によるとギャンブル依存症は「当事者や家族の日常生活又は社会生活に支障を」きたし「多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせている」ものとされています。

スポーツ選手の賭博や、社会的地位のある人の横領など、報道される犯罪の裏にはギャンブル依存症が少なからずあると言われ、また、ドメスティックバイオレンスや児童虐待など家庭内でおこる問題の背景にも依存症が隠されていると言われています。

ギャンブル依存症による横領・窃盗などの犯罪や、過重債務による破産などの問題と共に、重篤化してからの回復への社会的資源の投入などを考えると未然防止や、早期の回復支援による経済的効果は非常に大きいと言えます。

また、近年インターネットへの依存も社会的課題になってきました。不登校や引きこもりの会にうかがうと、子どもがインターネットをやめられないという話をよく聞きます。

ネット依存は特に低年齢で陥る可能性が高く、社会との関係ができてからの成人期の依存症より、社会体験が乏しいため、回復が非常に難しい状況になるとのことです。

先般、WHOの国際疾病分類IⅭⅮ—11へインターネットを含めたゲーム障害が記載されるとの報道がありましたが、インターネット等への依存症対策が進むことを期待しています。

ギャンブル依存やネット依存など、依存症対策で重要なのは依存症を個人の問題として切り捨てるのではなく、社会的なリスクとして認識することです。

依存症が個人の甘えや精神力の弱さの問題ではなく、病気であるということを広く周知し、周囲がサポートしながら治療プログラムに結びつけていくことが大切なのです。

まず、当事者や家族に接する可能性のある人が依存症について正確な知識を持ち、行政のみでなく、医療機関や支援者、当事者団体など多様な関係者と連携を進めることが必要だと思います。


ギャンブル等依存症対策基本法の施行と、WHO国際疾病分類IⅭⅮ—11へゲーム障害が記載されることについて区の見解をうかがう。
【区長】
依存症の対策についてのご質問のうち、ギャンブル等依存症対策基本法の施行についての質問にお答えいたします。
 「ギャンブル等依存症対策基本法」は本年7月6日に成立し、10月5日に施行されました。
 「ギャンブル等依存症対策基本法」は、ギャンブル依存症が重大な社会問題となっていることに鑑み、ギャンブル依存症の発生等の防止を図ることについての基本理念や、国、地方公共団体の責務、基本的施策等について規定しております。
 この法律に規定されている基本的施策では、ギャンブル依存症に関する知識の普及、患者及び家族への相談支援の充実、円滑な就労支援、十分な知識を有する人材の確保や養成等が挙げられています。
 区としましてはこの法律の制定を受けて、今後ギャンブル依存症についての正しい知識の普及啓発や相談体制の充実を図っていく必要があると考えております。
 次にWHO国際疾病分類ICD-11にゲーム障害が記載されることについてのご質問にお答えいたします。
 WHO国際疾病分類ⅠCDは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」といい、疾病、傷害及び死因の統計を国際比較するためWHOから勧告された統計分類です。
 このICD-11に「ゲーム障害」が追加された場合は、ゲーム障害も治療の必要な疾患と位置付けられることになります。このことから区としましては、区民や関係機関に対してゲーム障害は疾患であり治療が必要なことを啓発することや、ゲーム障害を早期に発見し支援できる体制を整えていく必要があると考えております。
ギャンブル依存症について、精神疾患や自殺対策、健康ホットラインなどを所管する健康部、生活困窮や地域包括などを所管する福祉部、児童虐待や子どもの貧困などを所管する子育て支援部、スクールソーシャルワーカーなどを所管する教育委員会など様々な部署が連携し、各相談窓口で依存症の知識を共有するべきと考えるがいかがか。
【健康部長】
ギャンブル依存症について、さまざまな部署と連携をし、各相談窓口で依存症の知識を共有するべきとのご質問にお答えいたします。
 ギャンブル依存症は、ギャンブルにのめりこみコントロールができなくなる疾患の一つです。このことで、うつ病を発症するなどの健康障害や、多重債務や貧困といった経済的問題、家庭内の不和などの問題、虐待、自殺、犯罪等の社会問題を生じることがあります。
 このため、健康問題や貧困、虐待等に対応する関係機関や家族がギャンブル依存症に関する知識を持つことは大変重要なことと認識しております。
 区では精神保健福祉活動を総合的かつ効果的に推進するため、学識経験者や区の関係各課、精神保健に関する事業所の代表を委員とする「葛飾区精神保健福祉包括ケア推進協議会」を平成30年度に設置しました。
 ギャンブル依存症は治療の必要な疾患であることから、この協議会のテーマの一つとしてギャンブル依存を取り上げ、まずは関係者で基礎知識の共有を図ってまいります。
ギャンブル依存症は既存支援団体との連携や、社会的認知を広げるための取り組みを行う必要があるがいかがか。
【健康部長】
ギャンブル依存症から一人で回復することは困難であり、家族や関係者が依存症を理解し、連携して支援を行うことで当事者の回復が可能になります。このような特徴から、ご指摘のとおり、家族や関係者が依存症に関する知識を持つことは大変重要なことと認識しております。
 区といたしましては、既存支援団体、当事者や家族・友人の自助グループ等の紹介やこれらの団体・グループとの連携を行い、また、社会的認知を広げるため、さまざまな機会をとらえて区民に周知して参ります。
1、ゲーム障害・ネット依存は未然防止が重要であり、乳幼児期からの子育て中の保護者をはじめ、区民への啓発に力を入れるべきだと考えるがいかがか。

2、不登校やひきこもりの背景の一部にゲーム障害があるが、相談窓口の周知を進めるとともに、子ども・若者の支援団体などと情報交換をし、連携を進めるべきと考えるがいかがか。
【健康部長】
1、ゲーム障害・インターネット依存は、インターネットをする時間を増やすために、「家庭での仕事や役割をおろそかにする」「学校の成績や学業に支障をきたす」「インターネットをしていないといらいらしたり、怒ったり、大声を出したりする」「憂うつになったり、いらいらする」等、個人の健康や家庭生活、学業などに大きな影響を及ぼします。
 このため、様々なゲームソフトが出回り、インターネット環境が普及した今日、ゲーム障害やインターネット依存の予防に関する普及啓発を強化することは重要と考えております。
 区では、乳幼児期からの子育て期の保護者に対して、児童館等を会場に、保健センターの保健師が「テレビ・スマホとの上手な付き合い方」などの健康教育を実施しております。
また、インターネット依存の啓発の一環として、インターネット依存症に関する専門外来を設けている久里浜医療センターの医師を講師にお招きし、インターネット依存症の実態とその予防や対応についての講演会の開催も予定しております。
 このような取り組みを通して、ゲーム障害・インターネット依存に関する普及啓発を強化してまいります。

【健康部長】
2、ゲーム障害の症状の一つとして、「睡眠時間を削って、深夜までゲームをする」「ゲームをする時間を減らそうとしてもできない」等があります。
また、ゲーム障害の特徴として、「朝起床できない」「物にあたる・壊す」「昼夜逆転」などがあり、引きこもりや不登校等につながることが懸念されています。
 ゲーム障害の相談につきましては保健所・保健センターで状況を確認し、必要に応じて精神科の専門外来を紹介するなどの対応を行っております。
 また、子ども・若者への支援団体の中には、ゲーム障害等依存症に関する啓発や育成を行っている団体や、引きこもりの方を支援している団体などがあります。
 区では、引きこもりの方を支援する団体からの依頼により講演会を開催したり、個別の相談については、団体を紹介するなど、日頃より支援団体との連携を進めているところです。
 今後とも、相談体制の充実に努めるとともに支援団体との連携を深め、ゲーム障害の予防に努めてまいります。