議会活動

質問要旨


昨今、区内でもキャリーケースを引いた、国外からの旅行客と見られる方を多く見かけるようになりました。
 国でも外国人旅行客・インバウンドを2020年に4,000万人に増やすとし、昨年2017年は2,869万人のインバウンドが日本を訪れたということです。
「観光立国推進 基本計画」においても民泊の法整備を講ずるとされ、その流れもあり今回、「住宅宿泊事業法」が制定されたと認識しています。
民泊は規制するのみではなく、観光や地域振興の視点を入れて、まちの中での位置づけを検討していただきたいものです。
 これから増加すると予想されるインバウンドを受け入れる時、民泊は重要なポイントとなるでしょう。
 「コト消費」といわれる「体験を目的」として日本に来るインバウンドを地域につなげていくためには宿泊事業者の存在が大きくなります。
 インバウンドを直接受入れている宿泊事業者は、そのニーズも把握をしています。
 最前線の宿泊事業者にコミットし、情報収集するとともに葛飾区の情報を共有するなど、インバウンドと地域とのつなぎ役として事業者と協働することが大切になります。
 また、東京オリンピック・パラリンピックに向けての位置づけが重要になることはもちろん、2020年以降の継続的なインバウンド受入れについても考えておくべきでしょう。

 一方、地域の方々からも民泊が増え、心配だと言う声をうかがうようになりました。
 東京23区では18区が民泊に関する条例を制定する計画があると聞いています。本区では現時点では条例化の計画はないとのことですが、住民の安心や快適な住環境を保障するためには、何かしらの規制は必要です。
 区内でゲストハウスを営む方に話を伺いましたが、家主不在型の民泊において「管理者が近隣にいないことが、トラブルにつながるのではないか」と危惧されていました。
 宿泊客のトラブルは夜中などいつ何が起こるかわからないため、即座に対応できる体制が求められます。
 事業者のきめ細やかな対応や、地域で顔の見える関係をつくることが近隣住民との信頼を生み、インバウンドを暖かく迎え入れる下地になるとも感じました。
 投機目的などで近隣との関係を顧みない事業者が増えれば、少なからず近隣住民の生活に影響があると危惧します。
 また、トラブルが多発するようなことになれば、葛飾区のイメージダウンにもつながりかねず、さらには、今回、大阪で民泊が関係するとされる事案の報道がありましたが、人の目が行き届かないことで犯罪につながる可能性も否定できません。

 今回、「住宅宿泊事業法」の施行とともに「旅館業法」が改正され、規制緩和が合わせて行われています。宿泊事業者は「民泊」か「簡易宿泊所」を選択することになりますが、特に「旅館業法」は、公衆衛生を念頭に置いた法律であり、近隣の住環境が万全に守られることにはならないと考えられます。
それぞれの法律を念頭に置きながら、近隣の住環境の保全を進めるための対策を講じていくべきです。
 現在、届け出義務がないため、区内の民泊の正確な数や状況は把握できないということですが、地価が安く成田空港と羽田空港へのアクセスが良いことや、条例での規制がないため、本区は今後民泊が増えると予測する事業者もいます。
今後、6月の施行に向けて相談や申請の受付などの増加が予想されるとともに、施行後の指導・監督など庁内体制の整備が急務かと考えています。

そこでうかがいます。

1、宿泊施設の少ない葛飾区において、民泊は区のイメージアップや観光振興の資源としての可能性を持つ。民泊を活用するため、区としての方向性を検討する必要があると考えるがいかがか。

2、「住宅宿泊事業法」の施行と「旅館業法」の改正に伴い、近隣住民の住環境を保全するために一定の規制が必要と考えるが区としての考えを伺う。

3、区として民泊の現状をどう把握しているか。
両法の施行に伴い、届け出等の申請や指導、問い合せや苦情などが増えると予想されるが、混乱を避けるため庁内の体制整備が必要と考えるがいかがか。
答弁者【産業観光部長】

1、葛飾区の観光振興と民泊についてのご質問のうち、観光振興における民泊の活用についてのご質問にお答えいたします。
日本を訪れる外国人観光客は、2017年には2,869万人を超え、前年から約19%の増となりました。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて更に増加を続けていくことが見込まれる訪日外国人観光客は、日本の観光において益々大きな存在となってまいります。
 こうした中、国においては、急速に拡大しつつある民泊サービスについて、その健全な普及を図るため住宅宿泊事業法を制定し、また、旅館業法の一部改正を行いました。宿泊施設の少ない本区にとりまして、本区を訪れる観光客の利便性の向上や滞在時間の延長などの効果を期待しつつ、このような法制度により、本区における観光客の受入れがどのような状況となるのか、区内のホテルや民泊事業者等の動向を注視していかなければならないと考えております。
 また、訪日外国人をはじめ本区を訪れる観光客を受け入れ、日々接することとなるこれら宿泊事業者は、観光客のおもてなしの玄関口であり、観光客のニーズ等の様々な情報が集まる場所となってまいります。本区の観光の魅力を高め、観光による地域活性化へと繋げていくために、今後、宿泊事業を営む事業者からの求めによる情報提供や意見交換等には柔軟に対応してまいりたいと考えております。


答弁者【健康部長】
2、観光振興と民泊のご質問のうち、住宅宿泊事業法の施行と旅館業法の改正に伴い、近隣住民の住環境を保全するために一定の規制が必要とのご質問についてお答えします。
住宅宿泊事業法では、近隣住民の住環境の保全を目的とし、事業者に、騒音の防止やごみの処理方法などについて宿泊者に説明することや、周辺住民からの苦情及び問合せに適切かつ迅速に対応することが義務付けられています。これに加え、葛飾区ではガイドラインを設け、住宅宿泊事業の届出を行う前の準備として、区に事前に相談をすることや周辺住民等への事前周知を行うことを求めていくこととしています。
また、住宅宿泊事業法の施行日と同日の6月15日に、改正旅館業法も施行になり、現在より小規模な旅館業についても営業できるようになります。旅館業に関しては、従前から、営業できる用途地域が決まっており、近隣関係を含め、営業施設として適正に運営できるよう指導してまいります。

3、葛飾区における民泊の現状と庁内体制整備についてのご質問についてお答えします。
法が施行されていない現時点では、軒数や所在地について詳細の把握が困難な状況です。大手民泊仲介サイトの情報からは、区内には約160軒の民泊があると推測しています。このうちの一定数が、法の施行に伴い住宅宿泊事業の届出をすると考えております。
区では、住宅宿泊事業法の施行に際する庁内の体制を整備するために、葛飾区住宅宿泊事業対策本部を設置し検討を重ねてまいりました。
対策本部では、住宅宿泊事業は旅館業と不可分であることから、所管を健康部生活衛生課とし、ごみの問題については清掃事務所と、騒音については環境課と、非常用照明や避難経路などの届出住宅の安全確保のための措置の相談については建築課というように、関係各課と連携しながら届出や問合せに適切に対応してまいります。